アーティストはスーパーに

アーティストはスーパーに

突然ですが、私が住んでいる築99年の古民家から最寄りのスーパーは、こんな感じのこぢんまりとしたかわいらしい店構えです。



このスーパーは、淡路島や徳島地域で天ぷらと呼ばれる薩摩揚げのような練り物や、



夜な夜なのひとりパーティーに最適なお惣菜セットなど




酒飲みの心をくすぐるラインナップが素敵なお店です。


なかでも、「淡路どり」と呼ばれる鶏肉が絶品で、

特にこのレバー(このあたりではレバーのことをキモといいます。和訳しただけともいえます)は本当に美味しくて、以前に東京から訪ねてきた友人にこのレバーをソテーにして振る舞ったところ、美味さのあまり絶句してしまったぐらいです。

「料理の腕前が酷すぎて二の句が継げなかっただけではないか」などというガサツな方は今すぐお引き取り願います。



このようにとても素晴らしいスーパーなのですが、その魅力をより引き立てているのが、こちら。



このめっちゃくちゃ可愛い商品POPです。あまりのクオリティの高さに、ひと目見たとき、「ぬおっ」と叫んで隣のおじさんを驚かせてしまったこと、この場を借りてお詫びします。


このPOP、パッと見ただけでも

■メインタイトルの視認性の高さ
■サブタイトルの説得力
■イラスト美味しそう
■食材であるはずの鶏の呑気さ

など魅力がてんこ盛り。初めて見た際についつい鶏肉を多めに買ってしまったのも、やむを得ないと言わざるを得ないというのもやぶさかではないでしょう。


そしてよくよく見渡せば、店中におそらく同じ方の作品が沢山貼られているではありませんか。本日はその一部をご紹介しようと思います。



まずはこちら。「白菜」と「豚肉」の文字色がしっかりそれぞれの食材を踏まえていて素敵です。お鍋のイラストの完成度も抜群。左上、「ほおっておけば」は正しくは「ほうっておけば」なのはご愛敬。



鍋にはやっぱり、長ネギ。異論はまったくありません。お鍋の長ネギって、くたくたに煮る派とシャキシャキを味わう派で喧嘩になりませんか?



ジブリ映画を彷彿とさせる料理イラストが上手すぎる。そして旨そうすぎる。



ピーマン。横にされたり縦にされたりして切り刻まれるピーマンがいじらしい。そして勉強になる。


     /

電子レンジ まかせて!

     \


こんなに頼もしい電子レンジ、見たことない。ルックスも昭和のテレビみたいでかわいい。




そして個人的一番のお気に入りがこちら。



グリーンとゴールドのキウイを両手に持ちながら自信満々の笑みを浮かべる女性。その洋服の柄はもちろん、靴下のカラーリングからも並々ならぬキウイフルーツ愛を感じます。


如何でしょうか。全てのPOPのデザインセンス、良すぎませんか。正直、描いた方はプロのイラストレーターなのではないかと半ば本気で考えています。もしプロではなく趣味の延長上で描いたのであれば凄すぎます。むしろ仕事を依頼したいレベルです。例えば「あわじ瓦めし」のイラストとか、物凄くかわいく描いて頂ける予感がします。

 

というわけで、今回は近所のスーパーで大活躍中のアーティストのご紹介でした。いち隠れファンとして、引き続き新作のリリースを楽しみに待とうと思います。そのためにも足繁く通わないとなあ。晩酌のアテに登場する淡路どりの頻度が増えそうだなあ。